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働きながら年金(在職老齢年金)をもらうには? 支給停止の仕組みと計算方法(前半64歳まで)2017年版

働きながら年金(在職老齢年金)をもらうには? 支給停止の仕組みと計算方法(前半64歳まで)2017年版

働きながら年金をもらうとは?


こちらは、とある年金相談会でのお話。

会社の総務事務を担当している女性社員が、シニア世代の方から受けた質問に答えるべく、年金の勉強をするために、相談会にやってきました。

すると相談会には、年金に詳しそうな方が座っておりまして。。。

 

 

こんにちは。今日は、年金相談にやって参りました。

私、年金については、全然分からないので、色々教えてください。

 

 

いらっしゃいませ、どうぞ、お掛けになってください。

年金はとても難しい制度ですからね。

一般の方々は、よく分からないと思いますよ。

それで今日は、どういった内容のご相談でしょうか?

 

 

 

実は、社員のなかで年金をもらうようになる方がいまして・・・

年金をもらいながら仕事をすると、「年金がカットされる」と聞きまして、どういう説明をしてあげたら良いか?ということで、相談に参りました。

 

 

 

いわゆる「在職老齢年金」(ざいしょくろうれいねんきん)という制度のことですね。

それではまず、年金はいつからもらえるのか?ということについてお話していきたいと思います。

まずはこちらの図をごらんください。

この図の通り、生年月日によりますが、60歳~64歳の間、年金(※図の黄色)がもらえます。

この65歳前からもらえる年金は、将来若い人たちはもらえない特別にお渡ししている厚生年金ということで、「特別支給の老齢厚生年金」といいます。

その後65歳以降になりますと、(正規の)厚生年金がもらえるようになります。

この65歳前(※図の黄色)と65歳後(※図のうす緑)について、「給料が高いと年金が減る」というのが、年金カットのしくみです。

 

 

 

カットされる年金は限られる

 

もう、「年金がカットされる」というだけで、不安で不安でしょうがないんですが・・・

 

 

 

 

それでは、その点の不安を解消していきましょう。

まずそもそも、「カットされない年金」というのがあるんです。

それが・・・

【年金カットされないもの】
①老齢基礎年金(※上図の濃い緑色)

②厚生年金に加入せずに、働いている方

 

①については、あくまで厚生年金部分だけが、カットの対象です。老齢基礎部分は100%支給されますし、除かれて計算します。

②については、あくまで厚生年金被保険者だけが、カットの対象者です。厚生年金に加入していないパートや自営業者は除かれます。
理由は、厚生年金に掛けているということは、将来年金額が増える人だからです。
逆に月給100万円稼いでいても、厚生年金に加入していない自営業者は、年金が一切カットされません(その代わり厚生年金もこれ以上増えない)。

 

 

へー、65歳からもらえる老齢基礎年金(※濃い緑色)は、年金カットの対象外で、働いていても全額もらえるんですね。

あと働いていている方 全員ではなく、厚生年金加入中の方だけなんですね。

 

 

 

 

「厚生年金+給料」>28万円かどうか?

 

さあ、いよいよ、年金カットの話に入っていきますから、あせらず ついてきてくださいね。

話を分かりやすくするために、専門用語を極力使わず、意訳してお話しいたいますね。

年金のカットとは、簡単には「厚生年金+給料が28万円を超えるかどうか?」ということです。

 

【厚生年金とは】
あなたの1ヶ月分の受給予定の厚生年金額のことです。
※厚生年金額は、基金代行額が存在していれば、その部分も含めた合計額です。
※基金代行額が無い方は、ねんきん定期便の印字された予定額そのものです。詳しくは年金事務所で確認できます。
【給料とは】
あなたの1ヶ月分の年金事務所に登録されている給料額のことです。
※賞与が出ている方は、直近1年間のボーナスを12等分して1ヶ月分を導き出し、給料に加えます。
※登録されている給料額は、年金事務所や会社の総務で確認できます。

【28万円とは】
60歳~64歳までの方の基準額です。なお65歳以降は46万円が基準額です。
※28万円を1円でも超えたら、年金全額カットされるわけでは無いです。カットが少しずつ始まるということです。

それではお尋ねします。

:たとえば、年金額(厚生年金部分)が、月額10万円もらえる方が、月額20万円の仕事をしたら、合計はいくらになりますか?

 

 

 

 

:月の収入は、30万円になりますね。

 

 

 

 

そうです。そうすると、28万円の基準額から、2万円だけオーバーしていることになります。

そして、ここが重要なんですが、もしオーバーした時点で即、全額年金停止されたり、そこまでいかなくてもオーバーした額(2万円)そのまま年金カットされる仕組みでは、誰も足して28万円以上働かなくなりますよね。

 

 

 

言われてみればそうかも。。。

てっきり、28万円を超したら、年金額が0円になるかと思っていました。

 

 

 

ただし、国の財政も厳しい上、若い人は65歳からでないと年金は出ません。

そこで、基準額を超えた分の半分だけ、年金をカットしますよ!としました。

(※図では、月10万円の厚生年金で、2万円オーバーしたうちの1万円だけカット)

 

 

28万円より稼いだら損?

 

ここでまた質問です。

①「基準額28万円までに抑えようと働いた場合」
(=年金は月10万円なので、給料18万円で働いた場合)

   ②「基準額を無視して働いた場合」
   (=年金は月10万円なので、給料20万円で働いた場合)

どちらが手取額が多いでしょうか?

 

 

:①ですと、18万円+10万円=28万円

:②ですと、20万円+(10万円-1万円)=29万円

(※-1万円は、年金カット分

ということで、28万円を無視して働いた方が多くなるんじゃないでしょうか?

 

 

そうです、そのとおりです。

ここで重要なのは、28万円に抑えようとして働いたほうが、金額が少ないということです!

働いたら結局手取り額が少なくなる、という制度設計はしていません

「カットされる~っ!!」って思うと、思考停止して「28万円に抑えないといけない」気持ちになりますが、稼げる人は、そのまま仕事して稼いで下さいね。

 

気持ち的には分かりますよ、「損してるかも?」って思うのは。。。

でも、これ、今の世代の方だけですからね。

若い方(昭和36年4月2日以降の男性)は、そもそも65歳からしか年金が出ませんので、「年金カット」という言葉すら無いんです

(そのまま給料を受け取るだけ)

だから、特に60歳~64歳までの方は、あまり28万円を気にすることなく、働いていただければと思います。

また、厚生年金の加入中の人だけにこの年金調整はありますから、つまりは65歳以降の年金は増えていることでもあります。

 

 

そうだったんですね。

少しホッとしました。

会社に戻ったら、一緒に働いているシニア世代の方に、お伝えしたいと思います。

 

 

 

これまでのまとめ

 


それでは、これまでお話してきた内容のまとめです。
ご覧ください。

 

 

 

なんだ~、在職老齢年金って、人によっては年金カットされるけど、将来年金も増えるし、あまり心配することは無いんですね。

 

 

 

 

 

確かに、多くの方はそういえるのかもしれませんね。

会社としては、給料を下げても高齢者が継続して働いていただくための方法として、在職老齢年金制度は活用できると思います。

 

ところで中には、明らかに年金で不利になる方もいらっしゃいます。

その代表例は、65歳を過ぎても、社長や取締役など、高額所得を得ている方たちです。

 

 

あれれっ。

やっぱり不利になる方もいらっしゃるんですか?

ぜひ、それも教えてください。

 

 

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